~総資本回転率を問題視してください~
「成功している経営」を一言で言えば収益力の高い経営をしていることでしょう。
ではどれだけの利益を上げれば収益力の高い経営と言えるのでしょうか。
まず、使用総資産純利益率が高いことが収益力の高い経営というべきで、最も重要視すべき数値の一つでしょう。この数値は株主など投資家も重要視する数値でしょう。
仮に総資産純利益率が10%のペースで推移すれば100÷10=10ですから10年で元手である総資産を回収できる事業をしているということになります。
「いくらの元手でいくら儲かったか」というこの数値が良い企業は「資本を効率よく使い利益を出している企業」ということができます。
それではどうすれば使用総資産に対する純利益率が高くなるのでしょうか。
次の計算式を見れば納得がいくことでしょう。
総資本純利益率=当期純利益÷総資本
つぎの計算式もあります。
総資本純利益率=売上高純利益率×総資本回転率
ここで初めて総資本回転率が出てきました。
つまり、利幅が良くても元手の回転数を上げなければ儲からないのです。
元手の回転数を上げるということは総資本の回転率を上げることです。
言い換えれば総資本が1年に何回転するかといことです。
公式は次の通りです。
総資本回転率(回)=売上高÷総資産
この回転数を上げるためには、売上高を増やすか、総資産を減らすかのどちらか、または両方をやることです。
総資産を減らす方法は不要な棚卸資産や遊休資産を減らすなどをすることでしょう。
総資本回転率を業種別に見ると次の通りです。
- 小売業1.78回
- 卸売業1.6~1.9
- 建設業1.1~1.3
- 運輸業1.1~1.2
- 情報通信業1.0~1.1
- 宿泊・飲食業1.0~1.4
- 不動産業・レンタル業0.3~0.4
設備投資や初期投資が高額になる業種ほど回転率は低下することが理解できます。
総資本の回転率の良い企業は商品の回転率も良いようです。商品回転率の良いことを「足が速い」などと言いますが、仕入れた商品が短期間で売れ現金に変わるスピードが速いこと状態のことです。
当然ムダな在庫が少ないようです。
参考まで業種別の商品回転率(年間)を見ると次の通りです。
・飲食料品小売業→31回
・卸売業→14~20回
・一般小売業→⒒~13回
・製造業→7~11回
ここで投資を回収するという意味で税法上とは別に管理会計上考えられる資産の償却期間を表示してみると次の通りです。
1.建物の実質償却5~7年
2.設備の実質償却3~5年
3.土地は償却しない資産ですが10年から12年で回収したいものです。
4.特許権やのれん代なども償却しない資産ですが10年くらいで回収したいものです。
ここで売上高純利益は粗利益から経費を差し引いたものですが経費の中で多くを占めるのが人件費です。
そこで粗利益高に占める人件費率を労働分配率と言います。
ここで言う人件費とは給与、賞与に福利厚生費等を含むのが普通です。
これまた参考までに業種別労働分配率を見てみましょう。
・飲食サービス業、宿泊業、福祉・医療→70~80%
・建設業→60~65%
・情報通信業→55~60%
・製造業、小売業、卸売業→50~55%
・電気・ガス・インフラ20~35%・・・設備投資が高いだけに人件費率が低い。


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