時々私がいく居酒屋があります。
女将は水商売の経営者にしては決して愛想が良いとは思えない中年女性です。
しかし、なぜか繁盛店です。
他店と比較するといつも混んでいるお店なのです。
とにかく常連さんの多い店です。
土曜日に主婦らしいパートさんが一人入る以外は孤軍奮闘しています。
しかし、時々一人ではどうにもならないほど混み合う日があるようです。
不思議なことにそういう日には若い男性が急遽手伝いに入っているのです。
不思議に思った私がその男性に聞いたことがあります。
「いそがしい時に突然呼ばれるの」
「いいえ、何日か前にメールが入るのです」
「へー、混む日が分かるということは、勘のよい女将さんなのかなー」
「私には分かりませんがなぜか分かるようです」
その男性は近くにある中小企業の社員ですが人に好かれそうな如才のない若者です。
不思議に思った私はあるとき女将に聞いたのです。
「団体客が多いとは思えない人たちで混んでいる日があるようですが、そういう日には若い男性が手伝っているようですが、忙しい日が勘で分かるのですか」
「いいえ、勘では分かりません。ただ、何年間ものデータだけは取っています」
「それを活かしているのですね」
「はい、参考にはしています。当たらないこともありますが・・・」
成功する経営者の意思決定を支えるのは、勘や決断力ではないようです。そうです。情報の収集と活用なのです。
いまこの女将は私のアドバイスを理解して労働生産性から人時生産性の管理をしているようです。人時生産性は労働時間1時間当たりの粗利益高を指標化したもので計算式は次の通りです。
人時生産性=粗利益高÷総労働時間
女将は人時生産性が高ければ時給の高いパートタイマーやアルバイトを雇用できることを学んだようです。
さて、この女将は話上手ではありませんが、聞き上手のようです。お客さんの話を真剣に聞くのです。お客さんに合わせるうなずきや相槌は絶妙です。
これは営業マンのお手本のようです。
この女将は有能な経営者であり、有能な営業マンと言えるでしょう。
16.ある居酒屋の女将の情報戦略
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