13. 経営理念への共鳴が肝要です

人材

~人手不足を解消するには働く人が共鳴できる経営理念と一体になることです~

昨今の人手不足は倒産の原因の一つにあげられているようです。
特に中小企業では深刻のようです。
「人が集まらなくて困っているのにダメを押すかのように退社していく社員もいて困惑

しています」とはある経営者のボヤキです。
どうやら人が集まらなくて困っている会社は定着率も悪いようです。
これは会社の魅力に問題があるのでしょうか。
ではどうすれば人が集まりやすくなるか。そして、どうすれば社員の定着率の良い会社に変

われるのでしょうか。

私は大きくは二つの条件が必要だと考えています。
一つは会社の理念や方針に社員に共鳴現象を起こしてもらうことです。そして、二つ目は社

員のモチベーションアップの仕組みをつくることです。
この二つを具体的に述べると次の通りです。
ともすれば会社の理念や基本方針が美辞麗句の羅列で現実の企業文化と乖離していると

思われる事例を見受けます。
朝礼で全員が唱和してはいるもののいつの間にか空念仏に終わっていることはないでし

ょうか。
つまり、言葉で分かっていても体と一体化していないのではないでしょうか。

言葉は身についていなければ実行は不可能なのです。

 ここで考えてみたいのです。いったい「経営理念」って誰のためのものでしょうか?

多くの人はこう答えるでしょう。

1番目は経営者のためのもの

経営者自身が考えている社会にどう役立ちたいのかという思いやビジョン

2番目は社員のためのもの

 社員がこの会社で働くことの意味

3番目は顧客のためのもの

 この会社がこの地域に存在する理由

4番目は取引先のためのも

 この会社と取引することの意味

5番目が社会のためのもの

 企業は社会の公器であり、企業は社会に貢献するために存在するという考え方

私の意見を申し上げます。

どの答えも正解だとは思います。ただし、企業はその時の事情によって強調したい理念を1番目に大きな文字で書くべきだと思うのです。あるいは経営理念としては顧客や取引先や社会に対して示しても、それとは別に「社員の行動理念」とか「社員の行動指針」として表明することも考えてよいのではないでしょうか。
私の顧問先であるH社の経営理念の一番目に書いてある文言は次の通りです。

「社員を大切にする会社」

この話とは別のある会社の話です。

基本方針の中に「みんなの力でがんばったことが報われる会社にしよう」という文言を加えたところ社風が変わり始めたというのです。社員の中で明らかに共鳴現象が起きたのです。
 この言葉は会社の都合ではなく社員自身が身近に感じるテーマであったからだと思いま

す。
この会社は基本方針の中にこの項目を単に増やしただけではなくこのテーマの実現のため

に社内ミーティングを重ねたのです。
そして、この方針に沿って成果配分制度を導入したことも功を奏したようです。
社員のモチベーションアップについてはチェックシートを活用した評価制度を導入して

報奨制度と連動させたのです。
それに加えて社内のコミュニケーションを活発にするための会議やミーティングの機会

を増やした結果定着率の向上が図られたようです。

 いくつか目に見えて変化したことがあったようです。

まず頻繁に社内ミーティングを行ったせいでしょうか、これまで無口だった社員がみんなの

前で発言するようになったのです。

 つぎに社員の多くが成果配分の仕組みについて興味を持ったことにより会社の利益を気に

するようになったこと。その理由は成果配分は会社の成績に影響されることを理解したからで

しょう。

 多くの社員が今まで無関心であった経営理念についての解釈について議論するようになっ

たことも付け加えさせてもらいます。

 これまでは皆無であったが、入社したいという友人知人の紹介をする社員が現れたそうです。

 どうやら会社に対するロイヤリティが生まれてきたようです。

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