~経営者は「問題の解決」より「機会の創造」を~
経営者が「問題の解決」のために多くの時間と労力を費やしているのを見かけます。
例えばクレーム対応、不良品の発生、納期の遅れなどの対応に全力を挙げて取り組むことが多いようです。確かにこれらの問題は誰かが解決しなければなりません。
だからと言って経営者自らが問題解決に多くの時間を費やすことが問題なのです。
トップの仕事がこれら「後始末」の仕事に忙殺されていては未来が見えてこないでしょう。今最も必要なことは「前始末」なのです。
問題解決のために経営者がやるべきことは、問題の発見と問題発生の原因、そしてそれを取り除く方法を部下に考えさせることです。
経営者は自分の考える時間を増やすために、部下を信じて部下にまかせることも肝要です。
問題解決のために経営者が関わり過ぎることの弊害は大きくは二つあります。
一つは部下が考えることをしない「指示待ち人間」になってしまうことです。
二つ目には本来経営者がやるべき仕事に費やす時間やエネルギ―を失うことです。
経営者が本来やるべき仕事は「機会創造」とは「需要の創造」や「顧客の創造」です。
中小企業の場合、新たな商品の発見や開発と同時に新たな顧客の創造でしょう。
それらの基本方針や戦略の樹立をやることが経営者のやるべき仕事なのです。
そのための情報収集や選択、そして意思決定のための理論の構築も重要なことです。
社員ができること、できる可能性があることに経営者が時間と労力を費やすことは「機会損失」の最たるものです。
困ったことには「問題の解決」は生産的な仕事ではないにもかかわらずそれをやっている時は仕事をしているような気がしてしまうことです。
経営者の最も重要な役割は過去の延長線上にある仕事をすることではありません。過去の踏襲や現状維持から離れて末来の価値を創造することなのです。
長期的な視点で新しい事業の開発を考えなければならないのです。このことを結論的に言えば、経営者は「過去のため」ではなく「未来のため」時間と労力を費やすべきなのです。
具体的に言いましょう。既存の商品やサービスに固執していては変化の激しい現代では明日どうなるか分かりません。変化する顧客のニーズや欲求に適応した事業へのシフトを考えなければなりません。
当然のことですが、新たな時代の収益構造の構築は最も需要で優先順位の高いテーマです。そのうえで、新たな時代に適応した組織づくりや等々考えるべきです。
経営者として考えるべき課題、やるべき課題はまだまだあります。
権限の委譲を進め、未来を託すことのできる人材を育てなければなりません。
新しい時代における人材の育て方は、従来のように「教える」ことにこだわらず「引き出す」ことを考えるべきでしょう。
これまでのように企業側の「あるべき姿」を押しつけることは、人間を「飼い馴らす」古い考え方ですが、そうではなく、企業が本人の「ありたい姿」の実現に力を貸すことによって企業のために力を発揮してもらうという考え方です。
言い方を換えれば個人の「ありたい姿」と組織の「ビジョン」の接点を大きく育てるという新しい人材育成の姿ではないでしょうか。
従来のように「枠をはめる」育成法はから脱却し個人の思いを尊重した人材育成を実現すると言うことは本人自身の「自己実現」の道でもあるのです。
機会の創造を考えるためには当たり前のことを疑う姿勢、さまざまな価値観の融合、柔軟な発想による新たな発見などの要素を併せ持つことが必要です。
経営環境は激変し続けています。「変化」に対応するには「自らの変化」が必要です。
変化するための意思決定には考える時間と情報が必要です。
経営者は今こそ柔軟性に富んだ意思決定が必要な時です。


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