1.1人当たりの稼ぎが大事です

マネジメント

~成果を測るモノサシは1人当たりの実績数値が重要です~

売上高や利益などの経営実績を同業他社と比較して一喜一憂するのは経営者の習い性の一つと言えるでしょう。

経営者は刻々と変化する経営環境と自社の経営状況を睨みながら、経営戦略を練り企業の成長をはかることによって顧客とステークホルダーの期待に応えなければなりません。

ご承知のように経営資源はヒト・モノ・カネと言われています。私はその中で最も重要な経営資源は人間であることを考えています。それはモノもカネもヒトによって生み出され活用されるからです。そんなことから私は経営の成果を測るモノサシは「1人当たりの数値」をもっと重要視すべきだと考えています。

重要視されている数値の一つである「労働生産性は」1人当たりの粗利益高をさしていますが同じように、売上高、純利益高、そして資産や負債なども1人当たりの数値を見ることの意味は大きいものがあるのではないでしょうか。

社員の提案数なども1人あたりに換算した数字には別な興味を感じます。1人当たりの資産の中でも労働装備率という数値は従業員1人当たりがどれだけの生産設備(建物、機械、器具など)を利用しているかを示す経営指標ですがこの数値が高いほど機械化や設備投資が進んでいることを意味し従業員1人当たりの生産性を高める要因になっているはずです。

言い換えれば事業の運営や利益の創出は、人間の労働力よりも機会、設備、システムなどの「資本」への依存度の高いビジネスや産業を指す「資本集約型」が有利であることを示しています。

さて、成果を測るモノサシである評価基準が大まかであると真の姿が見えてこないばかりか組織内の不信感につながりかねません。
 他社との比較だけではなく自社の過去と現在を比較する場合も1人当たりで比べてこそ正しい成果の評価ができるでしょう。

厳密に言えば1人当たりの定義も企業によって決められた労働時間を1人と規定したうえでの計算であるべきだと思うのです。 

例えば売上高が昨年対比で増えたからといって1人当たりの過去と現在を比較したとき減っていたのでは手放しで喜べないはずです。

ともすれば経営者は、企業の財産状態を表す貸借対照表より営業成績を表す損益計算書に目を向けやすいものです。しかし貸借対照表こそ経営者が時間をかけて改善していかなければならない課題です。

経営者の目標設定として従業者1人当たりの総資本、1人当たりの正味資本の充実を図ることが重要です。経営者はそのために労働生産性はもとより総資本の回転率・売上純利益率・や総資本純利益率のために何が重要かを日夜考え続けなければならない課題でもあります。

「わが社に関わり合いを持つ人間1人ひとりがどれだけの価値を生み、どれだけ社会に貢献しているのか」この課題こそが経営者に与えられた命題であるのです。

ここで、「資本集約型経営」のメリットデメリットについて触れておきましょう。

「資本集約型」は大量生産による規模の経済効果が高いことに加えて労働力不足の影響を受けにくい面があります。ただし大量生産には大量に販売する仕組みを持たなければ成り立たないことは言うまでもありません。

 「資本集約型のデメリットとしては多額の初期投資と維持コストがかかるため新規参入の企業や財務体質がぜい弱な企業にとってはハードルが高いと言えるでしょう。加えて販売力が安定していない企業にとっては売り上げが減少した際に設備維持などの固定経費が重荷になりやすいことです。

 ここで「資本集約型」の対義語である「労働集約型」に触れておきます。

「労働集約型」は経営による価値の創造において機械や設備よりも人間の労働力への依存度の高い産業を言いますが、売上高に対する人件費の割合が高い業種・業態です。

「労働集約型」の代表的な業種はサービス業、飲食業、介護・医療、物流・運輸などですが機械や設備・ITの導入による生産性も向上を勧化続ける必要があるでしょう。  

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