~慣れすぎることのマイナス面に目を向けなさい~
「慣れることに慣れるな」と言う言葉が渋沢栄一の名言集に載っています。
この言葉は現状に満足してマンネリ化して思考や成長が止まってしまうことへ警鐘を鳴らした言葉であると思います。
この言葉に呼応するかのような言葉に、中国の古い時代の儒教の教書「礼記―大学」に掲載されている「日々新たなり」と言う言葉があります。
毎日、昨日よりは自分を向上させ、常に新しい気持ちで成長し続けなさいと言うことかと思います。
私も日常生活の中に日々新たな「感動」や「発見」があるような生き生きとした人生を送りたいと思っています。そして、常に新たなものを見出せる新鮮な感性を維持していたいものです。
そう言えば、離婚経験をもつ知人が述懐していました。
「新婚当時はささいなことでもお互いに『ありがとう』と言ったものです。ところがいつの間にかそれに慣れてしまったのです。側にいるのが当たり前、支えてくれるのが当たり前と思うようになっていたのです。そのことが離婚の原因だと思います」
夫婦でさえ慣れ過ぎることに罠が潜んでいるようです。
同僚や仲間の関係でも「親しき仲にも礼儀あり」を大切にしたいものです。
そして、例えルーチンワークのような仕事のなかにも、新たな発見があることが仕事に面白みを感じさせるのではないでしょうか。
これに対して「習うより慣れろ」ということわざもあります。
知識として覚えようとするよりも、実際に何度も体験して慣れる方が技術や感覚を身につけることがたやすいという教えでしょう。
「慣れる」ことにもはかり知れないメリットは存在します。
問題は「 慣れ過ぎる」ことにあるようです。
「過ぎたるは及ばざるごとし」と言われるように、程度をこえると不足していることと同じことになるようです。
さて、どうすれば若者のように新鮮でみずみずしい感覚を持ち続けることができるのでしょうか。
考えられることは、常に好奇心を忘れず新しいことに挑戦することを習い性とすることではないでしょうか。意識的に「マンネリ打破」の行動をすることが大切です。
先に話した離婚を経験した知人のように最初のうちは自分に対しての思いやりや優しさに感動した思いが、いつの間にか慣れてしまってそれが当たり前になってしまうことは精神的に大きな損失であり、新鮮な心を失うという悲しい出来事でもあります。
仕事にしてもそうです。
「最初のうちは『もっといい方法はないか。もっと早くやる方法はないか』と創意工夫をしながらやっていました。あの頃は仕事が楽しかった。それがいつの間にか惰性でやっている自分に慄然としたのです」これはある技術畑にいた人の話です。
私は趣味で油絵を描いていますが時々「はっ!」とする瞬間があるのです。それは惰性で描いていることを感じた時です。この時は「描きたい」のではなく「何かに描かされている」時なのだと思います。こんな時は描くことのトキメキや楽しさを感じていないときです。
マンネリ化を防ぐための方法を自分で工夫することも大切なのではないでしょうか。
まず、考えられることは意識的に小さな変化を取り入れることが肝要でしょう。新たな体験を取り入れてみることも大切です。
私は同じ目的地に行く場合も時間に余裕がある時には別のルートを選んでみたり、これまで通ったことのない知らない道を歩いたりします。この時に経験する新しい発見が楽しく刺激にもなるようです。
職場でも意識して役割を入れ替えたり習慣を変えたりすることによって新鮮な意欲がわいたりするものです。
私はある人にルーティンの順序を変えて効率化に成功した事例を聞いたことがあります。その時彼が付け加えた一言は「その時、僕のモチベ―ションは大きく向上しました」でした。
私たちは時には意識的に発想の転換をし、日常を脱却することによってマンネリ化をシャットアウトする必要があるようです。

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